なにものでもない人間が見る「だが、情熱はある」

「だが、情熱はある」見てますか?

いや~~~~~~良すぎるよ~~~~~それ以外言えないよ~~~~~............なんせキャパも体力も人の半分くらいしかないので、今忙しくて結構いっぱいいっぱいなんですが、日曜日にこのドラマ見るために頑張ってるみたいなとこあるからね。終わったらどうやって生きていこう。

毎週見る度にこれはブログ書こうと思いつつも言いたいことが多すぎてまとまらず、かといってじっくり書く時間も無く、書いては消してを繰り返しています。が、自分の為にこの気持ちを言語化しておかなくちゃいけない気がするので、書きます。

 

まず、私はオードリーと南海キャンディーズのことを詳しく知らないどころか、お笑いのこと自体何も知りません。たまたま数ヶ月前に四千頭身に興味を持ったので以前よりは漫才やコントを見るようになりましたが、M-1グランプリすら一度も見たことがありません。主演がこの二人なのが面白いと思ったのと海ちゃんの芝居が好きなのでドラマの存在は知っていたけど、最終話まできちんと見られる自信が無いから元々は見なくていいやと思ってました。でもTwitterに流れてくる第一話の評判がすごく良かったので、どっちでもいいけどまあ…見てみるか…とTVerで再生して、気づいたら話に引き込まれていました。

あの時面倒くさがりながらもTver再生した自分、マジでありがとう!!!!!これを知らずに生きる人生じゃなくて、良かった!!!!!!!

全てに無駄がなくて、キャストも主題歌もOPとEDの映像まで全部良い。本当に良い。面白いドラマはたくさんあるけど、今この時期に、このドラマに出会えて本当に良かった。

第二話以降も欠かさず見ているんですが、オードリーにも南キャンにも別に思い入れがあるわけじゃないのに毎回泣いてしまうんですよ。若林さんが何歳になっても幼少期に父親からかけられた言葉の呪いにかかっているところとか、山ちゃんが般若みたいな顔でノートに恨みつらみを書き殴ってるところとか、なんか、わかるなあと思って気づいたらいつも涙が出ていて。周りばっかり報われてる気がするとか、滅茶苦茶にひねくれてるところとかさ、もう物凄いわかる。二人のことは何も知らないし、わからないけど、勝手に二人とも私とすごく似てるじゃんと思ってしまった。

 

加藤さんが以前、「木曜日は本曜日」という企画の動画で一番好きな本として『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を挙げて、「年代も舞台も生きている時代も全然僕とは違うのに、『俺じゃん』って思ったんですよね」「びっくりしました、俺じゃんって。なんで俺のことこんなにわかるんだろうと思って。すごいわかったんです、このひねくれてピュアに生きてる感じが」「ひとりじゃないよって言われたような気がして」と話していました。私もひねくれている自覚はあったので、「私じゃん」ってなるんじゃないかとワクワクしながら読んだんですが、主人公がひねくれてるというかこれ性格悪いだけでは???となってしまい残念ながら共感できず終わりました。大学時代のシゲアキ、ジャニーズ所属青学内部生の超エリートだったのにひねくれすぎだろと思ったね。そこがいいんだけど。

加藤さんのようにエリートであるが故のひねくれとかではなく、超凡人なのに一丁前に生きづらさを感じている人間なので、それ以来私も「私じゃん」と思えるものに早く出会いたかったんですよ。というか、私より捻じ曲がった思想持ってて世界を恨んでる人間なんていないだろと思い込んでいたので、そんな体験できるならさせてくれよと思ってました。

でも、このドラマの若林さんと山ちゃんの姿に、「私じゃん」ってなったんですよ。これ私じゃん。だからこんなにわかるし涙が出てくるんだって。

勿論、私は二人のような才能も無いし、面白いわけでもありません。でも、周りと同じ普通になりたくて、でも何者でもない奴には絶対なりたくなくて、周りが羨ましくて、めちゃくちゃに捻くれていることはちゃんと自覚していて、そういうのはわかる。めちゃくちゃわかる。

「みんな死んじゃえって顔してるね」って若林さんが谷ショーさんに言われるところとかさ、高校時代毎日のように「顔死んでるね」と担任に言われていた私のことですか??と思ってボロボロ泣いてしまった。「今、幸せ?」という問いに答えられないところも。あと山ちゃんの原動力が周囲への嫉妬と対抗心で成り立ってるところも。

 

そして「私じゃん」と思うのと同時に、「こんなにひねくれてても生きてていいんだ」と思えたんです。私はずっと、根暗で考えが曲がっていて何かを頑張る時は常に負のパワーだけでやってきた自分のことが変だと思っているし大嫌いで、でもここまで世間を斜めに見てることなんて恥ずかしくて誰にも言えないからさ。初めてこんな生まれてこない方が良かったクソみたいな自分を肯定してもらえた気がした。嬉しかった。

これを書くうえでもう一度加藤さんの動画を見たんですけど、「俺じゃん」と思ったこの本が世界でこんなに売れているってことは、俺みたいな人がいっぱいいるんだと思って救われたと言っていて、私がこのドラマ見て思ったことを全部言葉にしてくれている…と思いました。

 

youtu.be

やっぱり感じたことの言語化がとても上手だし久々に見て改めて加藤さんのこと大好きだなと思いました。この動画に加藤担が加藤担たる所以が詰まってる(『キャッチャー・イン・ザ・ライ』のお話は1分13秒~)

 

そして私が救ってもらったのはドラマ本編だけではなくて。2人になったキンプリが歌う「なにもの」とSixTONESの「こっから」も大好きで、もう二曲とも歌詞がドラマで描かれる物語とぴったりなんですよ。

「なにものでもなくたって 夢を描こう

真っ白なキャンバスに足してゆけば

ゴチャゴチャだった絵もいつの日か

きっと壮大な 風景に変わってゆく」

 

「これだけじゃやれねぇってわかってる

でもこれしかねぇからこれにかかってる

間違ってる未来でも俺には光ってる」

 

なんですけど、泣くでしょ。なにものでもなくたって夢を持っていいし、うまくいくかわからないけどでもそれに向かって頑張ってもいいんだな。

私は今あんまり幸せだと思ってないけど、幸せになるビジョンとか見えないから将来への希望も捨てかけてて、でも本当はまだ多分諦めたくないんです。何もないからこそ、その動機がひん曲がっていたとしてもとにかくやるしかないんだよね。私みたいな人間は夢を持つ資格もないと思ってたけど、こんな人間も夢見ていいのか。そうか。

全部は書けないけどどっちもマジで良いので是非歌詞見てください。特に「こっから」とか全ての歌詞がぶっ刺さるので。「ノーマル以下が如何にして 地下深く眠る鉱脈掘れますか?」とかもう、やばくない???馬鹿っぽいからやばいとかあんまり書きたくないけどやばいよこれ。ノーマル以下の人間として人生の標語にしようかな。

 

じゃあこのドラマに感銘を受けたから私がこっから努力して、若林さんや山ちゃんのようになにものかになれるのかと言ったらそれは全然わかりません。なにものにもなれず終わる人が殆どだと思うしね。それでも、このドラマに物凄く救ってもらった人がいるよということを記したかったので書きました。

「だが情」を作ってくれた全ての方々、本当にありがとうございます。映像化されたら買います。

 

ところでお笑いもエンタメも大好きな加藤さんはこのドラマ見てるんでしょうか…もし見てるなら感想聞いてみたい…